愛欲の輪廻
【伊吹功二・著】四十五歳の銀行員・静雄には、どうしても気になる女がいた。部下の杏花──切れ長の瞳と艶やかな唇を持つ、二十九歳の美しい独身女性。ある夜、彼女をマンションまで送り届けた静雄は、漂う香水の残り香に心を乱されながらも、あと一歩を踏み出せずに別れてしまう。そんな彼に、奇妙なタクシー運転手が囁く。「やり直せますよ。どうします?」……誘惑に抗えず過去へ戻った静雄を迎えたのは、杏花の熱を帯びた眼差しだった。キスを交わした瞬間、上司と部下という関係を覆い隠していた理性が、音を立てて崩れていく。職場では決して見せない女の顔。触れれば触れるほど深まる欲望。静雄はついに、胸の奥で長く眠らせていた情欲に身を委ねる。だが、過去を変えて得た幸福には、必ず代償がある──愛した女、欲望、後悔。そして、幸福の代償。すべてを失った男が最後に願うのは──『艶想』第3号掲載、「世にも奇妙」な官能短編!!
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