【松崎詩織・著】沙智が初めて愛した人、それは実の兄、医学部へ通う翔だった。もちろん誰にも言えずに。が、兄の名前を口にしながら快楽に耽った激しい自慰を、偶然、覗かれた夜、一度だけギリギリの願いが……直後、家を出た兄は事故で…

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【松崎詩織・著】三十年前、中学の卒業式が終わった日の夜、古賀はこっそり夜の教室に佇んでいた。桜の花びらが窓の外を、鮮烈な色彩を持って降り続けていた。そして…白川先生もひとり、教室にいた。東京の私立中学を辞めて、教員不足が…

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