当たり前っちゃ、当たり前のことなんで、報告し忘れておりましたが、昨年秋より、Kindle 以外の電子書店でもほぼほぼAubebooks作品を「正規」に購入できるようになりました。って、5年以上も、大手はKindle でしか買えなかったんすね……。いや、自社サイトからのDLや、準自社サイトでのストリーミング?読書は最初からできてたんですが、まぁ、大人の事情ってヤツがあったんですね。
ひとえに、「仕切値」の問題、ってヤツです。
コンテンツを読者様の手許に届けるには、おおよそ、商流に乗せなければならず、この商流ってのが零細版元には落とし穴や地雷の埋まっているいばらの道なんですね(笑)。
長年、業界に棲んできたオッチャンはそうしたことを、肌身をもって知っていて、捕らえられたり、ぶっ飛ばされないように「敵方」の対応を眺めていたわけです。が、ヤルと決めて5年はさすがに長い! ので諸々の交渉を重ねた結果、そこそこ、道が、しかも舗装路がついたわけです。
ただし、A書店には、今後もしばらく入らないっすね。熱でもあるかのような「仕切値」を求められてもなぁ。いや、Aubebooks が我慢すりゃいいじゃん、という意見は読者様の立場では当然の言い分で、そこは、本当に申し訳ありません、恐縮です、なんですが、それはとりもなおさず、ここへ作品を寄せてくれている著者への評価になっちゃうんですよ、結果的には。ので、『あんたの言ってる「仕切値」は、Aubebooks への評価としては甘んじて受けるが、著者の代理人でもある立場では到底吞めません』と言っちゃったね。
このロジックは紙でも電子でも一緒で、著者が血を吐きながら仕上げた作品の安売りはしない、とコケの一念っす。二番手携帯キャリアのA書店ご利用の読者様には、しばらくご不便を続けますが、この金儲けの下手なAubebooks をどうか笑って赦してやってくださいませ!!
で、『新妻愛液通信』です。これは内藤みかさんの、極々初期の短編集でして、もともとがこのタイトルで出版されたものです。おおよそ20年以上前、の初出作品が集まっています。そんな前の作品なのに、人妻が出会うツール、というか場が、今を先取りしていることに舌を巻く作品集でして、妄想、空想だけではきっと書けないんだなぁと感心することしきり。
なにより、広げた販路、書店内で、このタイトルがどう響くのか、いまさらながら楽しみなんですね。しかし、みかさん、上手いなぁ、ご自身が新妻のころに執筆されている、なんともリアルなELです。ぜひぜひ!