触れ合ったら透明になる

【月見ハク・著】触れ合ったら、透明になる──七海と渋谷で待ち合わせたとき、「俺」は、彼女のことをほとんど何も知らなかった。黒づくめの服、どこか人を食ったような物言い。そして、ふとした瞬間に見せる、予想のつかない表情。若さとは裏腹に、彼女の中には、簡単には触れることのできない何かが隠されていた。二人は、出会ってほどなく身体を重ねる。そう決まっていたかのように。けれど近づけば近づくほど、「俺」は七海の奥にある孤独や傷の存在に気づいていく。そしてそれは、彼自身が抱えてきたものとも、どこかで重なっていた──人は誰かに触れなければ、見えないものがある。言葉だけでは届かない場所に、触れることで初めてわかる心がある。七海と「俺」は、互いの過去を語りながら、少しずつ真実を知っていき、触れ合ったとき、二人を隔てていたものは消えていった──。「艶想」6號掲載。過去とそれからの長い時間を埋める、大人の純愛物語。

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千年に一度の恋

【津村しおり・著】「……あなたは、私を斬るの?」古い廃屋の一室で、女は刀に語りかけていた。奇妙な光景の中に立っていたその女、夜刀と真島は出会う。なぜ彼女は刀と会話をするのか。そして、なぜこんな場所にひとりでいるのか。廃屋同然の一軒家に、不動産鑑定の仕事で出向いた真島は、いつしか説明のつかない世界へと足を踏み入れていた──夜刀には、長い時を越えて受け継がれてきた因縁があった。現実とは思えぬ異様な事件を解決することを生業とする彼女は、かつて人魚の肉を食べたばかりに、不老不死となった人間。彼女の背負うものに触れるほど、真島の中にも、これまで知らなかった感情が芽生えていく。二人を引き寄せていくものの正体は、時間さえも越えてしまうほど深いものだった。雪の夜に始まった、不思議な女と男の出会い。千年という歳月の向こうから巡ってきた恋。「艶想」4號掲載。『夜刀&真島』シリーズ、幻のエピソード・ゼロ!!。

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雪割草

【霧野なぐも・著】「お父さんが好きだった──」身体を繋げると、コユキが何気なく口にしたその一言に、「私」は言葉を失った。マッチングアプリで出会ったのは、童顔の美少女。幼ささえ感じさせる容姿とは裏腹に、彼女にはどこか不思議に手慣れたところがあり、ときおり見せる大胆さと、ふとした瞬間のあどけなさとの落差に、「私」は心を奪われていく。だが、その奔放さの奥には、彼女自身も語ろうとしない過去があった。「私」も、亡き妻との暮らしのなかに癒えない傷を抱えていた。互いに求め合い、身体を重ねるほどに、単なる欲望では片づけられないものが立ち上がってくる。やがてコユキは、「私」の傷にそっと触れるような言葉を口にする。誰かを求めること、誰かと寄り添うこと。その意味を、二人は思いがけない形で悟っていく。傷ついた四十路前の男と、過去を抱えた若い女。孤独と愛の境目を静かに描いた、「艶想」4號掲載の切なくも、温かな物語。

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なのか雪

【うかみ綾乃・著】「その女を見たとき、志郎は、なぜか初めて会った気がしなかった……」雪の降る夜、親族が法事で集まる旅館で出会った志郎と女。湯けむりの中で交わされる言葉や、ふと重なる視線には、初めて会った者同士とは思えない、不思議な懐かしさが漂っている。やがて二人の間に浮かび上がるのは、家族の記憶、遠い日の面影、そして長い歳月のなかに置き去りにされていた想いだった。志郎が感じたのは、目の前にいる女が、いつもの世界の時間からほんの少し外れた場所に立っているような、不思議な気配。雪が舞う夜の温泉、過去と現在、生きている者と死んだ者。記憶の境目が静かにほどけていく。愛とは、ただ誰かと生きることなのか。それとも、時が過ぎても消えずに残り続けるものなのか──雪と湯けむりに包まれた一夜が、遠い記憶の底に沈んでいた想いを、静かに、確かに呼び覚ます、「艶想」4號掲載の時空を超えたラブストーリー。

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スペース・ウォーク

【乃村寧音・著】「声出してもいいよ。こんだけうるさかったら、どうせ聞こえないから」彼氏と訪れた新宿のロックバーで、彼女は「宇宙人」と名乗る男と出会う。華奢な身体、どこか人懐っこい笑顔。そして、日常のこちら側にいるはずなのに、どこか遠い所から来たような不思議な存在感。そしてバーのトイレ……彼女の日常は少しずつ輪郭を失っていく。恋人との穏やかな関係、過去の留学と病気、描いていた未来を失った二十代。自分が何を望んでいるのかさえ、よくわからなくなっていた彼女。そんな彼女を、宇宙人は秘薬を使いながら見知らぬ世界へ連れ出していく。現実なのか、幻なのか。夜の街から、森へ、宇宙へ。不思議な旅の果てに彼女が見つけたのは、誰かに愛されることではなく、もう一度、自分の世界を自分の目で見つめることだった。サイケで非現実で、どこか脱皮的な──「艶想」4號掲載。「宇宙人」が、女性の人生を静かに変えていく物語。

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女友達が人妻になる前に

【月見ハク・著】高校時代から想い続けてきた女友達の由香が、まもなく別の男の妻になる──二十四歳の良平は、三年ぶりに再会した彼女と突発的に「熱海」に向かう。海辺の温泉宿、湯上がりの浴衣姿、濡れた黒髪、赤いピアス。友達だったはずの由香が、目の前で艶めいていく。「今日で地球が滅びるらしいよ」「そんなの絶対やだ。でも……最後まであがくよ、私」降り始めた雪を見つめながら、長年胸にしまい込んできた想いがお互いに溢れる。何年もの想いを溶かすような口づけ。腕の中で、いつも強気だった由香が見せる、思いがけないほど柔らかな表情。お互いが距離を測りながら徐々に激しく蕩ける夜を過ごした二人は、翌朝にはまた昔のように笑い……けれど、友達という言葉だけではもう片づけられない。東京駅で背を向けて歩き出す由香。雪には始まりも終わりもない。それなら、この恋も──澄んだ恋情が、切なく刺さる『艶想』第4號掲載、純愛官能傑作!

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薔薇の庭

【うかみ綾乃・著】六年ぶりに帰ってきた軽井沢の別荘。養父母に育てられた基紀を迎えたのは、義兄・李一と、その妻・里砂だった。庭に咲く薔薇──ロサ・ダマスケナは、幼い基紀に初めて「自分を見てくれる人」李一の記憶そのものだった。「ここの庭、おまえにまかせたいんだよ」庭を弄るうち、基紀の胸の奥に封じ込めてきた想いもまた、棘を伸ばしていく。夜ごと義兄夫婦の寝室を盗み聞き、自らを傷つけることでしか鎮められなかった禁じられた欲望……李一が留守のある夜、里砂は自らの過去を告白する。「一度でもいいから、欲しがられたい」傷を抱えた女と、傷を刻み続けてきた男。互いの孤独に触れた瞬間、薔薇の棘は、これまでとは違う意味を持ちはじめ、誰にも言えない夜の中で、互いの傷を確かめるように身を寄せていく──欲望なのか、救済なのか。義兄姉との間に生まれてしまったあまりにも危うい絆を描いた、『艶想』第3號掲載、激情の短編!!

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元カノが乱れたあの夜

【津村しおり・著】かつて恋人だった賢人とほのか。ともに芸能界で夢を追いながら、ある“幸運を呼ぶ秘具”の噂をめぐって別れた二人だった。ところが一年後、秘密のパーティ空間で賢人の前に現れたほのかは、いまや人気女優。かつて知っていた女とは違う、妖しい色香を漂わせていた。「ほのか……本当に、君なのか」再会した瞬間、忘れたはずの記憶が蘇る。間近に感じる体温、ふと触れ合う指先、こちらを見つめる潤んだ瞳──。昔の恋情と、いま目の前にいる女への欲望が、賢人の胸の中で絡み合う。「私は夢をつかむためなら、なんだってする」──夢を叶えるためなら、何も恐れない。そう言い切ったほのかは、いったい何を手に入れ、何を失ったのか。ヤトとマシが、そのパーティに参加して“秘具”を回収して収めようとするのだが、すでに終わったはずの恋が、もっとも危険な形でもう一度動き始めていて──『艶想』第3号掲載、超常官能物語、第二弾!!

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指先の記憶

【深志美由紀・著】「キスするのはこっちにお願いします」奏馬は依都子の腕を引き、自らの足の間へと引き倒す。
別に、恋人ごっこをしに来たわけではないのだ。「え、あ、あの。いきなり……?」──奏馬は幼い頃に憧れていたピアノ講師、依都子の義理の息子である穂高を虐めていた。穂高を餌に依都子を好きにしようというのだ。白い肌、繊細な指が、いまでも目の裏にちらついている。手に入らないものを追い続けるくらいなら、いっそ全て壊してしまう方が楽なのではないか──あの頃のままの依都子の肌、指先。勢いよく白濁を迸らせると、奏馬はさらなる淫計を図る。翌日、四人の同級生を、依都子の部屋に引き入れ、追い打ちをかけたのだ。「そ、奏馬君。マジでこれ、良いの……?」ガキが代わるがわる依都子の全穴を朝まで穢したとき、悪鬼の思考が奏馬を支配して……未熟な恋情が、際限のない獣欲を呼び覚ます、『艶想』第3号掲載、悪魔的淫虐の物語!

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愛欲の輪廻

【伊吹功二・著】四十五歳の銀行員・静雄には、どうしても気になる女がいた。部下の杏花──切れ長の瞳と艶やかな唇を持つ、二十九歳の美しい独身女性。ある夜、彼女をマンションまで送り届けた静雄は、漂う香水の残り香に心を乱されながらも、あと一歩を踏み出せずに別れてしまう。そんな彼に、奇妙なタクシー運転手が囁く。「やり直せますよ。どうします?」……誘惑に抗えず過去へ戻った静雄を迎えたのは、杏花の熱を帯びた眼差しだった。キスを交わした瞬間、上司と部下という関係を覆い隠していた理性が、音を立てて崩れていく。職場では決して見せない女の顔。触れれば触れるほど深まる欲望。静雄はついに、胸の奥で長く眠らせていた情欲に身を委ねる。だが、過去を変えて得た幸福には、必ず代償がある──愛した女、欲望、後悔。そして、幸福の代償。すべてを失った男が最後に願うのは──『艶想』第3号掲載、「世にも奇妙」な官能短編!!

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踏んだり蹴ったり

【乃村寧音・著】不倫の代償で仕事も自信も失い、ひとり酒に沈む二十七歳の保育士・美奈。ある夜、彼女の前に現れたのは、電車で遭遇した痴漢を追いかけてくれた男・スガワラだった。かつての不倫相手にどこか似たその男は、美奈が痴漢の足をヒールで思い切り踏みつけた姿に惹かれたのだという。そして彼が口にした、思いもよらない願い──「俺を踏んでください」。痴漢ごっこという秘密の遊戯から始まる二人の関係は、電車の揺れと密着した身体の熱のなかで、次第に危うい快楽へと変わっていく。踏むことで怒りをぶつけ、踏まれることで悦ぶ男。やがて美奈は、彼の顔に重ねていた「嘘つきな男」への憎しみをむき出しにし、蹴り、殴り、泣き、そして自らの欲望まで解き放つ。危険で甘美な「踏んだり蹴ったり」の夜……その先に待つのは、再生か、それともさらなる堕落なのか──『艶想』第3號掲載、嗜虐と被虐の交錯を描き出す、全開の寧音ワールド!

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月夜の誘惑

【香坂燈也・著】「わたしの匂い……嫌じゃないんですか?」それは彼女にとって、男に愛されることを恐れるほどのコンプレックスだった。仕事帰りの新幹線で、偶然隣り合わせた四十代の男と、ひとりの若い女。ただの移動途中の出会いにすぎなかったはずが、彼女の足元から漂ってきた、香水でも柔軟剤でもない、生身の女だけが持つ匂いが、男の理性を静かに、そして確実に溶かしていく──昔日の恋人に拒まれた記憶を抱えながら、自分の獣香に欲情する目の前の男に惹かれてしまう女。男もまた、自分自身さえ知らなかった欲望に抗えない……座席についたまま濃密で禁忌の時間を共有したあと、二人は新横浜で列車を降りる。タクシーで向かう先はラブホテル──。羞恥なのか、誘惑なのか。嫌われるはずだった「匂い」が、なぜこの男には、これほど甘美なのか。「匂い」が抗いがたい魅力へと変わる、倒錯の恋物語──『艶想』第3号掲載、フェティッシュ傑作!!

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艶想 第6號 Kindle Edition

『新しい官能をつくろう』
LOVE STORY、サスペンス、倒錯譚、SF、ファンタジー、時代、青春、旅情……越境する、他では読めない愉悦文藝アンソロジー第六弾! 今回も強力なゲスト執筆陣が健筆、妖筆、艶筆を揮う愛と欲望と快感のアンサンブル。「第三回 団鬼六賞」の主催も正式に決定! いよいよ本誌にて募集開始です!! 心も身体も震わせながら、11編の書下ろし短編で鮮烈な至福体験を──

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体育館は残響に沈む

【津村しおり・著】「いくらなんでも廊下はまずいですって」「教室で、生徒の机の上でしようか」「それはもっとよくない……です」うっ、と声が漏れた。常盤の指先は真島の欲望を掘り起こした……常盤と助手の真島は、科学的には解決しようのないある種、不可解な事象を解決する専門家だった。常盤の怪異解決方法はシンプル極まりない。怪異が起こっている場所で、常盤と真島が情を交わす。それだけなのだ。いや、常盤にとって助手は、心と身体にピッタリと一致することが重要なのだが。そして、常盤は、人魚の肉を食べて不老不死となった、八百比丘尼だった。「はふっ……はんっ……いい……いいっ」真島はテンポを速めた。愉悦が高まり、背筋に波が押し寄せる。開いた常盤の股間からは、とめどなく蜜が溢れた──エッチな怪異解決コンビが、体育館に怪しい音が鳴り響く私立高校の、封じられた罪と真実を暴く第一弾、『艶想』第2號掲載、陰と陽の超常物語!!

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スケ番ぶるうす

【香坂燈也・著】「男のくせに、のろまだね」耳をくすぐる低い声にぞっとした。「あうっ、なんだ」背後に回っていた竜子が破れたシャツの襟を引っ張る。上半身を剥かれ、バランスを失った健司は体育マットに頭から倒れ込んだ……その日もいいオモチャにされていた老舗旅館の一人娘、お嬢様育ちの和美を助けるために、幼馴染で生徒会長の健司は必死に頼んでみたのだったが、退屈するスケ番たちは簡単に解き放ってはくれない。格闘技仕込みの蹴りだけではなく、カミソリ、火の点いた煙草、コーラ瓶。そうした小道具が、淫虐な責め具と化してふたりを苛む。竜子は女も男も「従わせる」ことになんの躊躇いもなかった。──昭和四十年代末。学校を裏で支配する女番長グループから抜けようとした幼なじみの同級生を真面目な生徒会長が救おうと尽力するが、女番長の責めは想像を超えて苛烈だった──『艶想』第2號掲載、甘く苦いノスタルジック淫蕩短編!

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私のいちばん気持ちよかったあの日

【内藤みか・著】「どこに行くの?」「もうすぐ着くよ」彼が私を連れ込んだのは、入江の奥にある黒っぽい壁のように立ちはだかっている大きな岩のその裏側だった。「怖くないの?」「大丈夫だよ」彼は私を振り返って微笑んだ……美しい思い出が心の中に甦り、胸がいっぱいになる。ひとりごとのように話してもいいのだけれど、誰かに聞いてもらいたかった。だから、AIをオンにしていた。ゴーグルの視野いっぱいに、夜の静かな海が現れる……目を閉じ、私は今夜も遠いあの日の快感を辿る。彼の指は胸から下腹部へと移り、私はそれを迎え入れるために、ゆっくりと脚を開く。そして腰を少し浮かせて、指が私のいちばんいいところに当たるようにする──あの日、海辺の岩場の陰のボートの中で、月明かりの下で、私の体は真っ白に輝いていた。何歳になっても忘れられない、いちばん気持ちよかったあの日をリピートする幻想物語──『艶想』第2号掲載短編!!

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蕩ける素顔

【紫月ルイカ・著】秘唇の合間で怖いほど膨れ上がった突起を男の硬質な指先が弾いた瞬間、腰の奥に電流が走った。そのすぐ近い場所に溜まっていた水流が、マグマとなって押し寄せる。大きなうねりが奥底から湧き上がる。宙吊りの私の、もっと恥ずかしいところを見て欲しい……育児に疲れ、マイペースな夫に精神を病みかけていた琴子は、個室トイレで酔った自分が勢いよく放尿するシーンをジッと見つめられるという異様なキッカケで元職場のデザイナー霧矢と密会を重ねるようになった。霧矢の部屋で、徐々に熱を帯び始める琴子によぎるのは排尿しながらイきそうになってしまった自分──育児も家庭生活も上手くこなせない自分でも、この男にいっそ恥辱的なまでの姿を晒すことで、はじめて存在が許されるのではないか……心に渦巻いていた感情を一気に解放するとき、押さえていた「女」を取り戻す。快楽と淫楽の先にある魂の救済を描き出す書下ろし短編!!

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美しい春

【野々原いちご・著】「僕は上手にあなたを楽にさせてあげられると思います」DMにはたったそれだけが書かれていた。アカウントには「困っている方の手助けがしたいです」とだけある。殺しはしたことがないのかもしれないし、殺しをしたことがあるのかもしれない。けれど、美月はなんとなくこの人に頼んでみようと思った……退屈で、代り映えのしない毎日を生きる美月の願いは、いつしか人生を終わらせることになっていた。SNSで知り合った佐野に殺害を依頼するが、犯罪を犯す彼に、せめて何か恩返しをしておきたい。思いは予想外の展開を呼びおこす。美月から差し出せるものは身体しかないからだ。美月は佐野から与えられる快感に翻弄されながら、どうにか自我を保とうとする。気を抜いてしまえば、心ごと持って行かれそうだった。果たしてこれはお礼になるのだろうか──流れ込む体液に思わず「生」を実感する、『艶想』第1号掲載、生と性の物語!!

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姉弟を喰らう

【香坂燈也・著】「出したいんでしょう? がまんしないで。わたしだって恥ずかしいんだから」姉が弟を手で追い詰める。口調は年の離れた姉らしくぶっきらぼうだが、目は潤み、唇は唾液で濡れている。弟の感触に興奮しているのは明らかだ……突然の事故で両親を亡くした二十代後半の結華は、六十前の両親と旧知の男、明彦の三番目の妻となることで救われた。そして、その家には、一回り年下の弟の陽樹と飼い犬も一緒に引き取られていた。明彦をよそに起きた姉弟の間違いは、たちまち陽樹の「癖」となり、結華はそれに当惑しながらも応えていた。が、明彦は偽りの出張の夜、秘戯中の姉弟に罠を仕掛ける──若妻とその実弟による禁断の行為を目撃した夫は姉弟を拘束して責める。もともとが嗜虐癖の旺盛な男の奸計に嵌った姉弟。吊、枷、首輪、革紐、強制口淫。そして男が最後に選んだのは義弟の禁穴だった──『艶想』第1號掲載淫虐短編! 完全版!!

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わたしのリビドー先生

【乃村寧音・著】「生意気ね。お仕置きだって言ったでしょう? 祐介がして欲しいことをするのはお仕置きにならないじゃない。でも、そうねえ……そんなに言うなら、これに頑張ってもらいましょうか」わたしはベッド下に用意しておいた電動のオナホールを取り出した……二十一歳の大学生、美緒にはS女として目覚めたきっかけがあった。小学校の高学年、体育用具室でしゃがんでいた教育実習のお兄さんに友人数人と縄跳びの縄を、次から次へと上からかけたのだ。縄と先生……縄と先生……。楽しくて、愉しくて、いつしかそのシーンは美緒を性的に支配した──SNSで知り合ったM男の祐介とは月に数回、美緒の住むマンションでプレイを楽しんでいる。プレイは会う前から始まる。オナ禁、毎晩の報告義務。先にマンションに着いている裕介の行動の隠し撮り──その日、美緒の下着をあさっていた裕介にはキツイお仕置きが……。『艶想』第1号掲載短編!!

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艶想 第5號

「やばい」と「エモい」のその先へ! 作家が好きなことを好きなように書いたらこうなった!! 他では決して読めない愉悦文藝アンソロジー。深み、凄み、切れのある物語にますます引き込まれる新感覚官能文藝誌、第5号。「与【あたう】」メンバーに加え、今回も強力なゲスト執筆陣が健筆、妖筆、艶筆を揮う、愛と欲望と快感のアンサンブル。心も身体も震わせながら、「毒書」で新しい絶頂体験を──

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Over the selfie(『配信遊戯』英語版)

【沙布らぶ・著】“Wow…yours is awesome, entangled with mine tightly and stimulatingly. After all, are you excited to be seen by others?” “Yeah, it feels so good to be gazed by unknown people when I am making love.” When my boyfriend Masato told me about marriage, I couldn’t immediately feel joy. Maybe today is the last streaming day. I had better quit… I had a secret sexual preference. While dating Masato, I secretly streamed my nasty behaviors from a studio room of the apartment. Chika, who had developed an abnormal pleasure in being ‘watched’ on a selfie streaming, have to give up that moment when I get married. Chika, who already had a reputation as a stream queen in adult contents, had a passionate fan called himself M. A short story of lewd pleasure
liberating feeling of exposing yourself!

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Innocent Flame in Nara(『お松明』英語版)

【うかみ綾乃・著】At Haruka’s grave in Nara, I was approached by her younger sister, Misaki, who has just turned 30. Instead of returning to Tokyo immediately, I was invited to see the Omizutori ceremony at the Nigatsudo Hall of Todaiji Temple, and as I heads there, a memory of the only a night affair crossed my mind, a mistake made with Misaki while Haruka was still alive. On that night, she guided my hand under her skirt…Misaki once again pulled up her coat in the midst of the Otaimatsu crowd. She grabbed my wrist then pulled me toward inside her coat, the back of my hand was pressed against her thigh on pantyhose. Felt irritated and confused, I turned my hand inside her skirt and inserted my fingers into her inner thigh. Parting the bulge of her closed thighs, slipping my fingers into her groin, the two of them saw the past and future, sin and punishment beyond the crimson glow of the torches. It was said that its flames would burn away people’s worldly desires and karma. A night of fiery hot passion, with flames running and sparks flying up, then eventually emptiness, was expressed layered with the majestic Nigatsudo Hall and Otaimatsu torches. This is the author’s masterpiece short story!

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艶想 第4號

【プロ官能作家集団「与」】プロ作家が「自分の書きたいものを好きなように書く」ことをコンセプトに贈る、他では決して読めない新感覚官能アンソロジー第4号。深み、凄み、切れのある物語にいよいよ引き込まれるワン・ランク上質な官能文藝誌! 「与」メンバーに加え、今回も強力なゲスト執筆陣が健筆、妖筆、艶筆を揮う、愛と欲望と快楽のアンサンブル。深奥を突き刺す書下ろし・11編!!

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